シャンプーを使うほど皮脂量が増える

そうなれば、髪が十分に成長できなくなることはいうまでもありません。太くて長い毛が減って、逆に、細く、短いうぶ毛のような毛が増えることになるのですから、髪は当然、まばらになり、薄毛への道をたどることになります。実際、ふつうならひとつの毛穴に太い毛が2~3本生えているところが、大きく発育しすぎてしまった皮脂腺でいっぱいの毛穴では2~3本の毛を養うことができなくなり、初期では1本が、進行するにつれて2本、そして3本全部が、うぶ毛みたいな細い毛に変わっていきます。毛がまったくないように見える、完全に禿げた頭でも、うぶ毛になってしまった毛は残っていることが多いものです。
形成外科医の私は、よく手術で頭皮の一部を切開しますが、ときどき、「なんだ、これは?」と目を疑うほど薄い頭皮に遭遇します。ふつうの人の半分の厚さもないのです。頭皮が極端に薄い人には、ヘアケアについてたずねます。すると、ほとんどの人が潔癖性で、とくに念入りにシャンプーをしていた人でした。
た。1日2回も3回もシャンプーをしていたり、たっぷりシャンプーをつけて5分も10分も洗い続ける習慣があったり、1日1回であっても、その1回に2度シャンプーをしていたりします。
ちなみに一般には知られていない、高価で特殊なシャンプーを使っていたりといった人が多い傾向もみられました。あまり人がやらないようなヘアケアを続けている人に限って猫っ毛といわれる、コシのない、細くてやわらかい髪をしていて、薄毛に悩んで
いる方が多いようです。シャンプーのしすぎは頭皮を確実に薄くします。そして、頭皮が薄くなれば、髪はかならず細く薄くなります。
では、シャンプーをしすぎると、頭皮が薄くなるのはなぜか。ほとんどのシャンプーは、強力な洗浄効果を持つ界面活性剤でできています。これによって頭皮のバリアをこわして、頭皮の新陳代謝を衰えさせるためです。
頭皮も含め、皮膚の表面には外部からの異物の侵入を食いとめ、皮膚内部の水分の蒸発を防ぐ「バリア機能」があります。バリア機能を構成しているのは、アミノ酸を主成分とした水溶性の天然保湿因子を含む、死んだ角質細胞と、その細胞同士を接着させている、セラミドが主成分の脂溶性の細胞間脂質で、このふたつが交互に積み重ねられてレンガとモルタル
モルタルでできた壁のように、強固なバリアを形づくっています。この強固なバリアを壊滅的に破壊するのが、シャンプーに大量に含まれている界面活性剤です。
です。シャンプーに含まれている界面活性剤は、バリア機能を形成している角質細胞内の天然保湿因子と油溶性の細胞間脂質のどちらも溶かして、バリアを破壊します。バリア機能が失われれば、保湿できななくなるので、水分がどんどん蒸発していって、頭皮は乾燥し、干からび、細胞の再生ができなくなります。失われたバリア機能が再生するには、健康な皮膚で3~4日はかかります。ほとんどの日本人が毎日シャンプーしていますし、人によっては朝晩2回もしています。
ます。これでは、再生しかけたそばから、シャンプーの洗浄力でこわしていくことになり、頭皮はますますはげしく乾燥して干からびてしまい、潤うひまがありません。
頭皮の表面がこのような「砂漠状態」では、その下の、細胞が生まれる基底層での新陳代謝が止まって、新しい細胞は生まれにくくなります。つまり、頭皮は細胞不足におちいって、その厚みがしだいに失われ薄くなっていくわけです。頭皮が薄くなれば、どうなるのか。うぶ毛のような髪しか生えなくなって、薄毛への道をまっしぐらに進むことになります。

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